夜の行き先、日曜日の朝

仕事は先週からとにかく慌ただしく、しかもDoppelシフトなどで毎日のTo Doリストをやることだけに追われていた。

ダリオ、ベンジャミン、レモ、ミシェル、ダニエル、メラニー、サム、パーシー、チェトリ、ルシアーノ、モハマッド、新しく入ったばかりだけどすでに大先輩のラルフ、そして私。一人一人のことを説明したらキリがないくらいおもしろくて、多国籍なメンバーである。

しかし当たり前だが毎日楽しいことばかりなわけではない。先週はボスに理不尽なことで怒られるという出来事が数日あり、とにかく悔しい、どこにもぶつけようのない怒りが溜まっていた。これは私がアジア人で女だからなのか?と疑ってみたりもした。カリームに話して、泣いて泣いて怒りを少し発散させた。説明するだけでも、あの状況を思い出してまた怒りが込み上げてきた。

「あと1年の辛抱だよ。君は強いよ。」

そうだ、あと1年。長いようで、きっとあっという間だよな、今年だってもう5月だ。今もう2年も続けているんだ。

何度も自分に言い聞かせ、夜はゴールデンカムイを読んで寝おちするという日々を続けた。週末は仕事後にビール、ワイン、、と飲んで同僚にも愚痴を聞いてもらった。ボスから言われた言葉に対し私はその負のエネルギーをどこかで発散させる必要があった。睡眠は頭が一度リセットされる一番の薬だということも実感した。

強くありたいけど、たまに押しつぶされそうになる。

それでも私がなんとか元気でやっていられるのはまわりのいろんなものに救われているからだろう。

土曜日の夜、仕事場からバーに場所を移して、最終的には最悪な音楽が流れるアイリッシュパブに辿り着いた私たち。ベンジャミンが何度かイェーガーマイスターのショットを買ってきてみんなで飲んでいたらしい。フラフラと動きが怪しくなってきた私をみてカリームがそろそろ帰る頃合いだと思ったそうだ。

「タクシーの中じゃなくて、ちゃんと外で吐いていたよ。大丈夫、」

すでに昼の3時半だった。カリームとネギを入れただけの味噌ラーメンをシェアして食べる。トイレに行く。水とリモナーデを飲んですぐにまたベッドに横になる。

こんなにひどい二日酔いはいつぶりだろう。

いつの間にか夜になっていた。アマゾンプライムのシリーズをみていたら、カリームは横で寝落ちしていた。彼の寝息を聞くのが心地よい。

二日酔いはすっかりと消えた月曜日、いい日だなと思える一日を過ごした。